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日記などその他雑感、眠れない夜の衝動的な書き物。

雑感: 貯蓄ゼロ世代を襲った控除バイキルトについて 〜傷病手当金の仕組み〜

もしかしたら休職からの退職経験者、つまりフェードアウト経験者にとっては一つの“あるある”なのかもしれないですが、表題にある通り、わたしの来月の控除額が急に2倍になった話。もしかしたら3倍になるかもしれない。せめて誰かの注意喚起になればと……。僕がバカだっただけかもしれないけど。

 

あらすじ

去る2019年4月11日、退職届を提出しまして、日付の上では4月31日付で退職と相成りました。自分は前年9月から会社を休職しておりまして、その間は会社の所属する健康保険組合から傷病手当金を頂戴して生活していました。新卒入社した制作会社を3年目になったところで辞める、というライフステージであります。

次の仕事は5月1日付で就業する予定。実際の出社は連休明けだけど。

この退職に際して、わたしの月々の控除が急に2倍額になり、雀の涙ほどもない口座残高を急襲する事件が起きました。本当は3倍だったけど、人事の方も「これは君の生活がやばい」と理解を示してくれ、2倍で済むように社内で手続きしてくれるとのこと。なにそれ?本当に大丈夫か?ダメだったらそれこそ本当にやばいのだが?

ともかく何が起こったのか、傷病手当金の基本的な仕組みも合わせて、ここにきちんと書いておきます。「貯金ないけど、もう精神が限界だから会社バックれちゃおっかな?♡」という誰かの参考になれば。個人的な記憶の外部化作業も兼ねて。

 

傷病手当金の基本的な仕組み

これは前提知識になりますが、傷病手当金は以下の流れで受給しました。

  1. 休職するため医師から診断書をもらう(会社に提出)
  2. 傷病手当金の申請書にも一筆もらう(健康保険組合に提出)
  3. 診断書と申請書を会社に提出*1
  4. 審査期間*2
  5. 受給

わたしのように長期で受給する場合は、これを毎月のルーチンとしてこなします。わたしは月に3,4回ほど通院し、毎月の初めに診断書と傷病手当金の申請書を書いてもらっていました。「この人は今月いっぱい働けません」「この人は確かに先月働けない状態でした」というのを医師の口から毎月証明してもらうのです。

なぜ毎月ごとなのかというと、これはそういう決まりだからそうなってるとしか言えない。あなたの会社が属する健康保険組合に依るかもしれないが、受給額は月収を根拠に決定されているから、申請のタイミングもそれに合わせられていると思われる。

ともかく「1月1日〜31日の間に働けなかったら2月1日に申請書を書いて会社に送る」みたいな感じ。だから自分の場合は、9,10,11,12,1,2,3月と7回書いています。あらかじめ「年末ぐらいまで仕事せずゆっくりしたいな〜^^」とか調子ぶっこいて休職に入ることはできない。わたしがやろうとしたことですが……。*3

 

受給と納税

わたしが会社に送った後の申請書には社長のハンコが押され、今度は会社から健康保険組合まで送付されます。そこで審査され、通れば受給となるわけです。受給の仕方には2パターンあり、

  1. 会社を通して自分の口座に振り込んでもらう
  2. 自分の口座に直接振り込んでもらう

違いは控除を会社に天引きしてもらうか、自分で払うかしかありません。わたしはモノグサだったので会社から天引きしてもらう第一のパターンを選択していました。

ちなみに金額の方は、元の月収の2/3ほどになりました。平均してもそれくらいだそうです。そこからさらに(1)住民税, (2)健康保険料, (3)厚生年金が控除として引かれた。

 

落とし穴

実のところ、わたしは書類上のミスなんかもあって、審査期間がちょっと長引いている状況にある。*4

現在4月12日、2月分の傷病手当金を待っている。3月分ではない。これまでなら2月分は3月中旬〜下旬には振り込まれているものだが……。組合に電話で聞いたところ、早くて20日入金になるとのこと。だから家賃の支払いには間に合う。でも前回の振込が2月10日ほどだったので、もう2ヶ月近く現金支給がないことになる。正直きつい。

「とはいえ、振り込まれるのは決まっているのだし、節制に努めれば生存はできる」

そんな風にタカをくくっていたところで落とし穴にハマった。このタイムラグがマズかった。

「退社に際して、会社が立て替えていた2,3,4月分の控除額13万を一気に払ってもらうことになります……」

退職の手続き時に人事にそう告げられた。「立て替えていた」という表現が最初は何を意味しているのかわからなかった。もう1回聞き直したところで全部わかった。

会社に傷病手当金を天引きしていたもらっていたせいで全く気づかなかったのだが、どうも僕が2月と3月の入金を首を長くして待っているその間にも、2月と3月の税金はちゃんと発生していて、会社が月々しっかり肩代わりしていたらしい。だから退職するなら4月末までに返してほしい、ということらしかった。単にツケといた分が回ってきた、というだけの話で、帳尻合わせというやつだ。

しかし3倍の控除額。

月々ならともかく、一括では当然払えない。

もう収入をぶっちゃけてしまうが、月収16万から13万が天引きされるということだ。そこから家賃やら光熱費を払う。もうバカじゃん。

解決策としては「社内でなんとか調整して、2月分の立て替えは2月分の傷病手当金から引く、3月分と4月分の立て替えは3月分から引く」ということになった。3月分がなるべく早く入金されることが前提ではあるが、これなら少しはゆとりが持てる。

でも、これでも2倍じゃん。やっぱバカじゃん。3月分の月収17万から9万が天引きされることになる。バカだね〜〜〜〜!!!!*5

 

 貯蓄ゼロ世代(まとめ)

傷病手当金は理想的に運用すれば、休職以前と同様に収入を月に1回にコントールできるものなのだろう。しかし、医師の診断や書類審査といったところで、どうしても1ヶ月以上のタイムラグが生じるものと思う。

その場合、無収入期間の税金は会社が肩代わりしている(天引きという形を取っている場合)。結局、遅れて入金される場合でもしっかり天引きはされるから気づきにくいが、でもそこで引かれているのは“先月”の分であって、“今月”の分の控除ではないのだ。だから会社と縁が切れる段階になって、急にその1ヶ月分が追いついてきて2倍量になる。*6

わたしの場合は書類のミスや追加で書かなければいけない書類*7が生じて、入金がさらに遅れた。ゆえの3倍。界王拳のように数字をホイホイ増減させるな。

ここでちゃんと何ヶ月分か蓄えがあれば、急に1ヶ月分だけ控除が増えても余裕を持って対処できるのだと思う。

自分は貯蓄がない状態でいきなりぶっ倒れて休職になったことが尾を引いて、こんな風にヒィヒィしている。そのわりにGWの計画はしっかり立ててるけど、でも同世代に同じ轍を踏んでほしくない(普通踏まないと思うけど)。でも、いつ倒れるか分からない危なそうな社畜は世の中いっぱいいるし、俺の同期もそんな風に居なくなった。俺は最後に残ったソルジャーだった。限界が来てから休むことになったから、貯蓄を考える脳領域は残ってなかったし、ストレスで金遣いがすごかった。

だから、よく言われていることだけど、いずれ辞めたいと思っている場合は正常な判断力があるうちですね……。

そしてから仕事を辞めろ。

 

*1:退社していた場合は健康保険組合に直接提出できるそう。

*2:審査期間の長さは何回目の受給かに依る。1回目は平均2,3ヶ月と言われる。2回目以降は1ヶ月ほどだという。

*3:医師にも「私の方からもそういう長い診断はできない。したとしても審査に通らないだろう」と言われ、ため息をつかれた。休職も1ヶ月ずつ延長する形なので計7回診断書をもらっている。

*4:訂正印が一つ抜けており、提出から2週間経ったところで郵送で送り返されてきた。これは日記でも愚痴っている。

*5:3月分の入金のタイミングによって生存戦略が変わってくるので緊張感があり笑えてくる。

*6:ちゃんとした人は事前に気づく。

*7:「療養状況・日常生活状況現況届」というのが2月ごろに来ていた。具体的な療養状況について詳しく書くような感じ。休職が長くなったことや通院の頻度が減ったことなんかが理由だと考えられる。審査で受給資格を疑われたものか、機械的に送られてきたものなのかはわからない。