smkw's diary - 名称未設定 のコピー 2

日記などその他雑感、眠れない夜の衝動的な書き物。

日記: 190409-190419_退職と金沢行

明日、4月20日の文フリに出展するために金沢に向かっている。その夜行バスの中だ。前日からの昼夜逆転の生活がたたって例のごとく眠れないから、早々と寝るのを諦めて毛布を頭からずっぽり被り、日記を書くことにしたのだ。

 

経済的な理由で新幹線にためらいがあったから、ずっと嫌って乗らなかった高速バスを予約した。たった3000円で石川と東京を繋ぐ4列シートの居住性はまさに最悪で、隣の席との境界は5cmの手すりだけだ。前後間隔もせまく、小さなテーブルを出せばほとんど身動きはできない。ボトルホルダーすら付いてない。仕方なく前の席の背に付いてる網袋にいろいろ詰め込んだら、網の下からウォークマンが滑り落ちてどこかへ行った。終点で降りることになってるから、そこで探すしかないと諦める。

 

文フリの方は無事に新刊が出来上がって満足した。毎度あることだが、作った段階でだいたいは満足して、イベント当日になると「こんなクソ重たい荷物は捨てよう」という話を仲間内でする。今回はそれを一人でやってるので、バスタ新宿に着いた段階でもうかなりぐったり来ている。僕が持ってる分は在庫分で、あんまり数はないのだが、それでも旅行はいつもバックパック一つで行くと決めているから、こう手荷物が増えるだけでストレスになる。

向こうでは友人の宅に3泊させてもらう。それゆえにかなり費用が浮いている。こんな苦労をするぐらいだったら、帰りは新幹線にすれば良かったと後悔することしきりだ。

 

文フリについて。目標の頒布数は相変わらず「1」だが、今回は前回の反省や他のサークルなんかを参考にして、表紙のデザインをちゃんとやったつもりだから、なるべく手に取ってもらえると嬉しい。人物を表紙にあしらった効果を測定できればと思う。

 

前回の日記から、この一週間、仕事関係でいろいろ動きがあった。

まず、ちゃんと退職届を提出した。話し合いは社外の喫茶店だった。前々から人事には話を通していたから大変スムーズに進む。聞くところによると、僕が休職に入ってから次々と休職者が出るようになって、例えば5人いた後輩たちはすでに2人が休職、1人が退社している。また、5年目の先輩の最後の一人が退職するらしく、これは現在進行形で相当モメているという話を聞く。その5年目の次はもう10年目になるから、つまり中堅どころと若手がいないくなる、ということらしい。もう知らんが。

 

会社に私物を取りに行くことになり、土曜の夜に忍び込む。しかし、22時を過ぎても全然灯りが点いたままだったから諦めて六本木で映画を見た。ブラッククラウンズマンがちょうどいい時間にやっていた。

見終わって、午前3時。さすがに誰もいなくなったようだから、会社にそっと入る。半年ぶりに入ったが、社内美化がとんでもなく乱れていて驚いた。片づける人間がいないのか。荒れている。

僕の席はまるごとなくなっていた。席替えが何度かあったという話は聞いていたが、それ以前に何もかもなくなっていた。私物も全部処分されたのかもしれない。とにかくどこを探しても無かったから、捨てられたか、あるいは他の人間に奪われたかしたのだろう。私物が勝手に取られることはたまにあった。誕生日に母親からもらったボディバックだけは何とか取り戻したいと思ったが、この先のやりとりが煩雑化することを考えると、どうにも粘る気になれず、諦めることにしてしまった。これは唯一残念なところだ。しかし、自分的には大変な思いをして新卒入社した会社を辞めるのだから、その引き換えに自分の部位をどこか失わないといけないような心理が働いて、一種の記念碑として、罪悪感への穴埋めとして、失うことを選んだ節もあった。

それにしても僕のデスクには担当案件の旧作素材が大量に詰まったHDDが10個近くしまってあったのだが、それもどこかに片づけられていた。かなり驚いた。これは退職に際してどう処分したもんか頭を抱えていたから、勝手に処分されていたのは好都合だった。

事前の打ち合わせ通り、人事のデスクに携帯電話、社員証、セキュリティカード、今後の連絡先やiCloudのアカウント情報を書いたメモなどを残してオフィスを出た。当然、自分ではもう施錠できないからセコムに電話をして自動で鍵を閉めてもらった。

セコムの人にワケを話す過程で退職する旨が口から滑り出た時、そこで初めて「俺はもうこのオフィスに立ち寄ることは二度とないんだなぁ」という実感が湧いてきた。もう西麻布に来ることすら無くなるだろう。もしかしたら東京すら去ることになるかもしれない……こうした想像が一気に胸に去来して、記憶を美化することはしたくないが、それなりにセンチな気分に浸った。

結局、見つかった私物はロッカーに入れておいた仮眠用のタオルケットだけだったから、それだけを抱えて始発に乗って帰った。

 

その翌日、新しい会社の入社手続きを済ます。事務処理がほとんどだが、終わり際に少しだけオフィスを見る機会があった。エンジニアの会社が一般にどんなものか分からないが、かなり静かな環境で、照明が弱かったのか全体的に仄暗い空間だった。冷房で涼しかった。少し狭いのが嫌だなと思ったが、冷たく仄暗い感じは好きだ。同期になる人と話す機会もあったが、なんとなく距離感を掴むのが難しい相手だと思った。まぁ、その辺はどうでもいい。

 

プログラミングの勉強はLavelで少しつまづいていたところだったから、研修でやるということもあったし、視座を変えて今はJavaをやっている。想像していたよりもPHPと共通点が多く、わりと楽しくできている。Javaオブジェクト指向をちゃんと押さえてからLaravelをやっていった方が学習過程としては得策なのかもしれない。ともかく初めて触るフレームワークだから要領がまだ得られない。しかし、早く習得しなきゃいけないところだから焦りはある。

 

ブラッククラウンズマンの感想を書きたいが、もう結構な文量だからやめる。また別のところに書きたい。