smkw's diary - 名称未設定 のコピー 2

日記などその他雑感、眠れない夜の衝動的な書き物。

日記: 190311-190323_内定取消と内定取得(2)

前回の日記に内定が取れたと書いた直後、内定取り消しに合う。

面接の場で内定通知がなされたこともあり、他社選考とタイミングにズレが生じた結果だった。

面接の場で「内定通知が想定よりも早いので時間的な猶予は多めにほしいです」と伝えたところ、「大丈夫です、しっかり待ちます」という返事をもらえたので油断しきっていた。結構待ってもらえるものかと思って「じゃあ(まずは)1週間くらい待ってもらえますか?」といった伝え方をした。これがまずかった。*1

自分は期限を延長できることを前提にして「1週間+α」で待ってもらうつもりだったのだが、相手に「1週間」を最終的な締切だと捉えられてしまった。

というわけで、「26,27日あたりまで内定承諾を待ってもらうことは可能ですか?」という質問のメールを送ったら、いきなり内定取り消しに相成った。

え?いきなり?可能かどうかを聞いたんだが?交渉の余地なし?とは思った。電話すればリカバリーできるか?とも思ったが、メールの文面がマニュアルからコピペしたような定型文だったから、これはもう相手のやる気がないんやなと心がポッキリ折れてしまい、取り返そうとする気持ちには到底なれなかった。

「御社は滑り止めです」「他社に行きます」とはっきり伝えたようなものだから、そもそも内定を取り返すこと自体が無謀だと思われたし、仮に期限延長をもらえたとしても、こういう通知が一度下された会社とその後も関係を続けるか(続けない)と思ったから、もう諦めることにした。

驚きと喪失感と憤りがあった。一方、こういう対応も当然と言えば当然なのだと自分に言い聞かせる部分もあった。「待ってもこいつは来ない」「そんなに長く待つつもりもない」。そんな風に判断されたのかもしれない。それしてに動きが性急過ぎるのではないかと思ったが……。 

こうしてコミュニケーション不全のまま首を切られた形になり、路頭に迷う濡れそぼった捨て犬のような気持ちになった。自分の認識が甘かったのかどうかは分からない。*2

 

それが朝の出来事で、同日、他社の最終面接があった。直前に内定取り消しの連絡を受けているから、かなり必死にしゃべる。今までの面接で一番要領よくハキハキ話すことができた。これは部長職以上が全員外国人というのもあったから、とにかく簡潔な日本語を話すことを意識したせいでもあった。

帰りにエレベーターまで送ってもらうときに代表の方が「なかなか悪くないと思う」とボソッと言ったのを聞きかじったから、し過ぎない程度に期待して帰路につくが、「2,3日で連絡が来なかったらNG」という説が頭にあったから、少し連絡がないだけで自信が揺らぐ。何も手につかないような1週間を過ごす。その間に他の企業の不採用通知なんかも受け取り、心底憂鬱になる。不採用通知にはメンタル面を理由にするものもあり、これは落ち込む理由になった。

 

やたら電話が鳴る週だと思っていた。ネット回線をソフトバンクからドコモに変えませんかという営業の電話が1月ごろから頻繁に掛かってきて、「その気になったらこちらから連絡します」と言ってあったのに、いつの間にか工事の段取りの電話が掛かってくるようになっていて、それの相手をしたくなかったから嫌がらせのように電話に出ないでいた(最低)。dodaのキャリアアドバイザーも頻繁に電話してくる方だったから、電話が多いこと自体は気にならず、そのうちメールが来るだろうと掛け直す気にもなれなかった。

それらの電話が内定通知だった。元々「dodaを通して連絡します」と言われていたので、てっきり初めからメールで来るものと考えていた。あまりにも電話に出ないのでメールで連絡が来た。この時のメールのタイトルが「内定通知のお知らせ」ではなく「最終選考結果のお知らせ」だったから、それを見ただけで「やはりダメだったか…」という小ダメージがあった。受かっていた。

 

そうして内定を得た日の午後、もう1社最終面接を受ける。今はそれの結果待ちである。来週末までには結果が来るからそれで今後の進路が決まる。どちらでもある程度の納得感はある。

 

今のところ“最後”の面接が終わり、プレッシャーがなくなったから帰りに品川で「グリーンブック」を見る。

「それでも夜が明ける」が好きなので頭の中で比べながら見てしまった。そういうわけで「北部で高度な教育を受けたため、黒人社会にも白人社会にも溶け込めない黒人」という題の取り方に新しさがあった(他にもこういう映画はあるのかもしれないが)(あったら見たい)。

あるシーンでは、そうした黒人・Dr.シャーリーが自身の痛みを土砂降りに打たれながら怒鳴り声で訴えるのだが、それが自分にはとても強烈で、傷つくシャーリーに掛ける言葉が見つからない白人・トニーの曖昧な表情がまさに自分の心情とシンクロして最高だった。全体的には涙あり笑いありと言った感じだったけど、そうした傷口を癒していく過程もセリフではなく、おおよそ行動で描写されているのも自分の好きなポイントだった。もちろん印象に残るセリフもあって「人生は複雑」「寂しい時は自分から手紙を書く」といった言葉は映画全体のストーリーを端的に言っているみたいで、本当に素敵な言葉だと思った。なので最後にシャーリーが自分からトニーに会いに来た時は本当にちょっと涙が出た。

 

 誰の言った言葉で、自分はそれをどこで見聞きしたのかも、もう覚えてないのだが「物語の基本は異文化体験だ」というのがある。*3

それがどういう理屈なのかはさっぱり覚えていないし、考えてもよく分からない。はっきり言って意味不明なのだが、「グリーンブック」のような映画を見るたびに不思議と頭の中に浮かんでくる。そしていつまで経っても忘れられないので、いつの間にか自分が映画を見る時に持つ視点の一つになってしまった。それがこの映画にはとてもぴったりハマったので嬉しかった。

先週、家で「最強のふたり」を見た時にも同じことを思った。嫌な見方だが、こうした異文化交流型のロードムービーは映画の典型的なジャンルの一つではある。だから普段は進んで見る気になれないのだが、でも見たら見たで最高に感動させられるんだよなぁ、と曖昧な気分になる。まぁ、見すぎて悪いということはないから何回でも見たらいいと思う。

*1:面接期間のド頭のことで先行きが全く見えなかったため、どこまで待ってもらえればいいのか見当もつかなかった。

*2:いやもう正直言ってしまうと、会話もろくにできねえのかよクソ会社がああああ!!!!という感じ……。

*3:「異邦人との交流」だったかもしれない。