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日記などその他雑感、眠れない夜の衝動的な書き物。

雑感: 貯蓄ゼロ世代を襲った控除バイキルトについて 〜傷病手当金の仕組み〜

もしかしたら休職からの退職経験者、つまりフェードアウト経験者にとっては一つの“あるある”なのかもしれないですが、表題にある通り、わたしの来月の控除額が急に2倍になった話。もしかしたら3倍になるかもしれない。せめて誰かの注意喚起になればと……。僕がバカだっただけかもしれないけど。

 

あらすじ

去る2019年4月11日、退職届を提出しまして、日付の上では4月31日付で退職と相成りました。自分は前年9月から会社を休職しておりまして、その間は会社の所属する健康保険組合から傷病手当金を頂戴して生活していました。新卒入社した制作会社を3年目になったところで辞める、というライフステージであります。

次の仕事は5月1日付で就業する予定。実際の出社は連休明けだけど。

この退職に際して、わたしの月々の控除が急に2倍額になり、雀の涙ほどもない口座残高を急襲する事件が起きました。本当は3倍だったけど、人事の方も「これは君の生活がやばい」と理解を示してくれ、2倍で済むように社内で手続きしてくれるとのこと。なにそれ?本当に大丈夫か?ダメだったらそれこそ本当にやばいのだが?

ともかく何が起こったのか、傷病手当金の基本的な仕組みも合わせて、ここにきちんと書いておきます。「貯金ないけど、もう精神が限界だから会社バックれちゃおっかな?♡」という誰かの参考になれば。個人的な記憶の外部化作業も兼ねて。

 

傷病手当金の基本的な仕組み

これは前提知識になりますが、傷病手当金は以下の流れで受給しました。

  1. 休職するため医師から診断書をもらう(会社に提出)
  2. 傷病手当金の申請書にも一筆もらう(健康保険組合に提出)
  3. 診断書と申請書を会社に提出*1
  4. 審査期間*2
  5. 受給

わたしのように長期で受給する場合は、これを毎月のルーチンとしてこなします。わたしは月に3,4回ほど通院し、毎月の初めに診断書と傷病手当金の申請書を書いてもらっていました。「この人は今月いっぱい働けません」「この人は確かに先月働けない状態でした」というのを医師の口から毎月証明してもらうのです。

なぜ毎月ごとなのかというと、これはそういう決まりだからそうなってるとしか言えない。あなたの会社が属する健康保険組合に依るかもしれないが、受給額は月収を根拠に決定されているから、申請のタイミングもそれに合わせられていると思われる。

ともかく「1月1日〜31日の間に働けなかったら2月1日に申請書を書いて会社に送る」みたいな感じ。だから自分の場合は、9,10,11,12,1,2,3月と7回書いています。あらかじめ「年末ぐらいまで仕事せずゆっくりしたいな〜^^」とか調子ぶっこいて休職に入ることはできない。わたしがやろうとしたことですが……。*3

 

受給と納税

わたしが会社に送った後の申請書には社長のハンコが押され、今度は会社から健康保険組合まで送付されます。そこで審査され、通れば受給となるわけです。受給の仕方には2パターンあり、

  1. 会社を通して自分の口座に振り込んでもらう
  2. 自分の口座に直接振り込んでもらう

違いは控除を会社に天引きしてもらうか、自分で払うかしかありません。わたしはモノグサだったので会社から天引きしてもらう第一のパターンを選択していました。

ちなみに金額の方は、元の月収の2/3ほどになりました。平均してもそれくらいだそうです。そこからさらに(1)住民税, (2)健康保険料, (3)厚生年金が控除として引かれた。

 

落とし穴

実のところ、わたしは書類上のミスなんかもあって、審査期間がちょっと長引いている状況にある。*4

現在4月12日、2月分の傷病手当金を待っている。3月分ではない。これまでなら2月分は3月中旬〜下旬には振り込まれているものだが……。組合に電話で聞いたところ、早くて20日入金になるとのこと。だから家賃の支払いには間に合う。でも前回の振込が2月10日ほどだったので、もう2ヶ月近く現金支給がないことになる。正直きつい。

「とはいえ、振り込まれるのは決まっているのだし、節制に努めれば生存はできる」

そんな風にタカをくくっていたところで落とし穴にハマった。このタイムラグがマズかった。

「退社に際して、会社が立て替えていた2,3,4月分の控除額13万を一気に払ってもらうことになります……」

退職の手続き時に人事にそう告げられた。「立て替えていた」という表現が最初は何を意味しているのかわからなかった。もう1回聞き直したところで全部わかった。

会社に傷病手当金を天引きしていたもらっていたせいで全く気づかなかったのだが、どうも僕が2月と3月の入金を首を長くして待っているその間にも、2月と3月の税金はちゃんと発生していて、会社が月々しっかり肩代わりしていたらしい。だから退職するなら4月末までに返してほしい、ということらしかった。単にツケといた分が回ってきた、というだけの話で、帳尻合わせというやつだ。

しかし3倍の控除額。

月々ならともかく、一括では当然払えない。

もう収入をぶっちゃけてしまうが、月収16万から13万が天引きされるということだ。そこから家賃やら光熱費を払う。もうバカじゃん。

解決策としては「社内でなんとか調整して、2月分の立て替えは2月分の傷病手当金から引く、3月分と4月分の立て替えは3月分から引く」ということになった。3月分がなるべく早く入金されることが前提ではあるが、これなら少しはゆとりが持てる。

でも、これでも2倍じゃん。やっぱバカじゃん。3月分の月収17万から9万が天引きされることになる。バカだね〜〜〜〜!!!!*5

 

 貯蓄ゼロ世代(まとめ)

傷病手当金は理想的に運用すれば、休職以前と同様に収入を月に1回にコントールできるものなのだろう。しかし、医師の診断や書類審査といったところで、どうしても1ヶ月以上のタイムラグが生じるものと思う。

その場合、無収入期間の税金は会社が肩代わりしている(天引きという形を取っている場合)。結局、遅れて入金される場合でもしっかり天引きはされるから気づきにくいが、でもそこで引かれているのは“先月”の分であって、“今月”の分の控除ではないのだ。だから会社と縁が切れる段階になって、急にその1ヶ月分が追いついてきて2倍量になる。*6

わたしの場合は書類のミスや追加で書かなければいけない書類*7が生じて、入金がさらに遅れた。ゆえの3倍。界王拳のように数字をホイホイ増減させるな。

ここでちゃんと何ヶ月分か蓄えがあれば、急に1ヶ月分だけ控除が増えても余裕を持って対処できるのだと思う。

自分は貯蓄がない状態でいきなりぶっ倒れて休職になったことが尾を引いて、こんな風にヒィヒィしている。そのわりにGWの計画はしっかり立ててるけど、でも同世代に同じ轍を踏んでほしくない(普通踏まないと思うけど)。でも、いつ倒れるか分からない危なそうな社畜は世の中いっぱいいるし、俺の同期もそんな風に居なくなった。俺は最後に残ったソルジャーだった。限界が来てから休むことになったから、貯蓄を考える脳領域は残ってなかったし、ストレスで金遣いがすごかった。

だから、よく言われていることだけど、いずれ辞めたいと思っている場合は正常な判断力があるうちですね……。

そしてから仕事を辞めろ。

 

*1:退社していた場合は健康保険組合に直接提出できるそう。

*2:審査期間の長さは何回目の受給かに依る。1回目は平均2,3ヶ月と言われる。2回目以降は1ヶ月ほどだという。

*3:医師にも「私の方からもそういう長い診断はできない。したとしても審査に通らないだろう」と言われ、ため息をつかれた。休職も1ヶ月ずつ延長する形なので計7回診断書をもらっている。

*4:訂正印が一つ抜けており、提出から2週間経ったところで郵送で送り返されてきた。これは日記でも愚痴っている。

*5:3月分の入金のタイミングによって生存戦略が変わってくるので緊張感があり笑えてくる。

*6:ちゃんとした人は事前に気づく。

*7:「療養状況・日常生活状況現況届」というのが2月ごろに来ていた。具体的な療養状況について詳しく書くような感じ。休職が長くなったことや通院の頻度が減ったことなんかが理由だと考えられる。審査で受給資格を疑われたものか、機械的に送られてきたものなのかはわからない。

日記: 190402-190408_交渉人とスパイダーバース

金がないので自然にやることがなく、生活を構成する要素が勉強とAmazonPrimeの映画と読書に限られる。退職手続きを遠隔で進めつつ、入社手続きを郵送でこなしてしまうと、あとは本当にやることがない。文フリ金沢の原稿も仕上がって、昨日入稿を果たした。したがって退屈しのぎに日記の更新頻度を上げてしまう。

 

傷病手当金の申請書に一箇所不備があり、月々の入金が滞っている。少し遅いので嫌な予感があったが、訂正印が一つ抜けているということで、3週間前に郵送した書類がまた郵送で帰ってきて、この組合は頭がわいているのかと思った。

とはいえ、まっとうな労働者から少しずつ集めた大事な金を使っているので、手続きが厳密になるのは仕方がないし、俯瞰的に見れば良いことだ。まだ少し余裕があると思って、映画を見たり遠出したりビールを飲んだりしたのがいけなかった。でもこれについて、そうした文化的な要素のない生活が本当に“生活”か?ということを話し出すと、キリがない予感がするし、もう終わったことなので考えても仕方がないのでやめる。上手くやりくりすれば次の入金予定日までには生活できそうなので、上手くやるしかない。ただ、この件は根に持つ。

 

最も好きな映画の一つに「The Negotiator」(邦題:「交渉人」)というのがある。サミュエル・L・ジャクソンが演じる叩き上げの交渉人が自分で立てこもり事件を起こして、ケビン・スペイシー(超好きな役者だ)が演じる冷静沈着な交渉人と激しい心理戦を繰り広げる、という映画で、小学生の時に土曜プレミアムで見て「映画ってこんな面白いんだ」という気づきがあったメモリアルな作品なのだが、これを最近見直した。

ネタバレを知っていても相変わらず面白かったが、今にしてみると事の発端になった事件が結構しょぼくて「警察年金基金の横領」なのである。見直した時は「そんな動機でこんな事件起きる?」と思った。でも今は分かる。俺も日頃から煮え湯を飲まされている保険制度が腐敗したせいで生活が危うくなったら、サミュエル・L・ジャクソンのように立てこもり事件を起こしておかしくない。金は大事だ。本当に。*1

 

金が無いと言いつつ、一昨日は「スパイダーバース」を見ていた。圧倒的なセンスの映像美がものすごい物量で押し寄せてきて、ストーリーもサム・ライミ版のスパイダーマン(これも好きな映画なのだ)を踏襲する形で、全てが自分の好みと完璧に合致していた。すごい。劇場を出た後すぐもう1回見ても構わないと思った。

個人的に大ダメージがあったのが、ドア越しで主人公とその父親が対話するシーンで、お父さんの「お前の人生はとにかく上手くいく」と断言する感じが泣けた。そこからラストバトルに至るシーンもカタルシスがすごかった。そこにピーター・B・パーカーの存在が「第二の父親」という形で見えてきて、人間同士の繋がりの中で人が成長してヒーローになる過程がしっかりあるのってマジで最高だなと思った。主人公から「等身大の男の子」って感じがよく出てたし。これはある意味ではアメコミヒーローっぽくないかもしれないと思った。*2

普段、自分はアメコミヒーロー自体に「一元的なもの」というイメージを持っていて、積極的に見る対象にしていない(多面的なものに真実味を感じるきらいがある)。ゆえに常々スパイダーマンのいいなと思っていたところは、覆面ヒーローゆえの孤独を抱えており、現実と上手く接続できていないところだと思っていた。スパイダーバースではこれに対して、並行世界の同位体がやってきて「お前の辛さ分かるよ」などと言って、SF的な一つの解答を示しているのがよかった。お前には俺たちがついてるぜ!というやつ。めっちゃエモい。

*1:サミュエル・L・ジャクソンの場合は、警察年金の横領を調べていた相棒が何者かに殺され、それを自分の犯行だと一方的に擦りつけられたことでプツンと来ているから、俺よりは少し深刻なのだが。

*2:グウェンが登場したあたりから「これはボーイミーツガール的な展開をするのかな?」と思ったけど、どちらかというと、男と男の友情、男同士の約束という感じになりましたね。父-子という軸でキャラクターを捉えて整理していくと、何か一つ言えること作れそう。

日記: 190324-190401_怠慢と令和

結局、転職活動については内定を3個もらった。社内開発と客先常駐を半々でやっているような会社から2個(採用先は社内)、完全に客先常駐だけの会社から1個。前者の2個で普通に満足だったので、そこから1個選ぶことにした……こうして就業の目処が立ってからというもの、怠慢な日々が続いている。

 

本当はこの4月の休職と退職のことで人事と話しあったり、内定先と承諾/辞退について連絡し合ったりし、あるいは継続的に勉強もしなくちゃなと思っているのだが、つい明日やれることを明日に回してしまう悪い癖を全開にしている。

お金もないので経済的な力で生活に無理やりメリハリを作ることも叶わない。修行僧のような精神性を求められるのは苦手だ(誰だってそうだと思うが)。とはいえ昨日は我慢できなくなって横須賀を1日散歩したりしているから、もうどうしようもなく幼稚である。単調な生活に飽きて仕事や勉強や文芸に打ち込むエネルギーを持て余している、そんな見方をしてもいい。

とにかく俺の人格は、常に一定以上の経済的な余裕がないと生活を適切なサイクルで回すことができないみたいだから、早く稼ぎたいと思う。ある程度の中流家庭でお財布事情に可もなく不可もなく育った人間はこういう傾向にあるのかもしれない。社会保険料が憎い。

 

今日は1日中布団とコタツを往復しながら読書をしたり、スマホのアイドルをプロデュースしたりするだけの日だった(イルミネーションスターズは素晴らしい)。それでも午前中は何とか気力を出して内定先に承諾書を送る程度のことはしたが、気づいたら何度かコタツで寝落ちして、夜まで短い睡眠と覚醒を繰り返しているような有様だ。平成が令和に変わったのは本当に“いつの間にか”だった。そこまで聴きこんでいるわけではないので特別な感慨はないが、Janne Da Arcも解散してしまった。春らしく世間の潮目を感じる。新社会人は全員早くうつ病になってほしい。

 

近頃はヘレン・マクロイを2冊読んだりしたが、もうこういう心霊系・幻想系はいいかな、もっと論理がゴリゴリした推理モノが読みたいと思って『龍神池の小さな死体』を読んでいる。元々和文で書かれているものはやはりスラスラ頭に入ってきて素晴らしい。これは稀少の中古本ゆえに本当に高かったので大切にしたいが、寝落ちするときによだれを垂らしそうになって、我ながら殺されても文句の言えない体たらくだった(そもそも2年くらい積読しているから体たらくは今更ではある)。

 

最近見た映画は「運び屋」が素晴らしかった。もう1000回ぐらい劇場で見てもいい。

予告編の段階では重たいサスペンスを感じていたが、全くそんなことはなく、前半は意外にまったりな感じ。随所でほほえましいシーンがあって和んだのだが、終盤にかけてサスペンスが強くなってからは、人生のどうにもならなさに対するあらゆる感情(巻き戻らない時間に対する後悔とか)が一気に押し寄せてきて凄かった。

全体的に抑制が効いた映画で、最後に刑事と対峙するシーンもじっくりと見せる幕引きになって最高だった。

サスペンスという一つのシチュエーションからはみ出して、そのキャラクターの人生にまで描写が行き届いているような、こういうジャンル越境的な映画は本当に秀抜だと思う。乗り遅れず見られてよかった。

日記: 190311-190323_内定取消と内定取得(2)

前回の日記に内定が取れたと書いた直後、内定取り消しに合う。

面接の場で内定通知がなされたこともあり、他社選考とタイミングにズレが生じた結果だった。

面接の場で「内定通知が想定よりも早いので時間的な猶予は多めにほしいです」と伝えたところ、「大丈夫です、しっかり待ちます」という返事をもらえたので油断しきっていた。結構待ってもらえるものかと思って「じゃあ(まずは)1週間くらい待ってもらえますか?」といった伝え方をした。これがまずかった。*1

自分は期限を延長できることを前提にして「1週間+α」で待ってもらうつもりだったのだが、相手に「1週間」を最終的な締切だと捉えられてしまった。

というわけで、「26,27日あたりまで内定承諾を待ってもらうことは可能ですか?」という質問のメールを送ったら、いきなり内定取り消しに相成った。

え?いきなり?可能かどうかを聞いたんだが?交渉の余地なし?とは思った。電話すればリカバリーできるか?とも思ったが、メールの文面がマニュアルからコピペしたような定型文だったから、これはもう相手のやる気がないんやなと心がポッキリ折れてしまい、取り返そうとする気持ちには到底なれなかった。

「御社は滑り止めです」「他社に行きます」とはっきり伝えたようなものだから、そもそも内定を取り返すこと自体が無謀だと思われたし、仮に期限延長をもらえたとしても、こういう通知が一度下された会社とその後も関係を続けるか(続けない)と思ったから、もう諦めることにした。

驚きと喪失感と憤りがあった。一方、こういう対応も当然と言えば当然なのだと自分に言い聞かせる部分もあった。「待ってもこいつは来ない」「そんなに長く待つつもりもない」。そんな風に判断されたのかもしれない。それしてに動きが性急過ぎるのではないかと思ったが……。 

こうしてコミュニケーション不全のまま首を切られた形になり、路頭に迷う濡れそぼった捨て犬のような気持ちになった。自分の認識が甘かったのかどうかは分からない。*2

 

それが朝の出来事で、同日、他社の最終面接があった。直前に内定取り消しの連絡を受けているから、かなり必死にしゃべる。今までの面接で一番要領よくハキハキ話すことができた。これは部長職以上が全員外国人というのもあったから、とにかく簡潔な日本語を話すことを意識したせいでもあった。

帰りにエレベーターまで送ってもらうときに代表の方が「なかなか悪くないと思う」とボソッと言ったのを聞きかじったから、し過ぎない程度に期待して帰路につくが、「2,3日で連絡が来なかったらNG」という説が頭にあったから、少し連絡がないだけで自信が揺らぐ。何も手につかないような1週間を過ごす。その間に他の企業の不採用通知なんかも受け取り、心底憂鬱になる。不採用通知にはメンタル面を理由にするものもあり、これは落ち込む理由になった。

 

やたら電話が鳴る週だと思っていた。ネット回線をソフトバンクからドコモに変えませんかという営業の電話が1月ごろから頻繁に掛かってきて、「その気になったらこちらから連絡します」と言ってあったのに、いつの間にか工事の段取りの電話が掛かってくるようになっていて、それの相手をしたくなかったから嫌がらせのように電話に出ないでいた(最低)。dodaのキャリアアドバイザーも頻繁に電話してくる方だったから、電話が多いこと自体は気にならず、そのうちメールが来るだろうと掛け直す気にもなれなかった。

それらの電話が内定通知だった。元々「dodaを通して連絡します」と言われていたので、てっきり初めからメールで来るものと考えていた。あまりにも電話に出ないのでメールで連絡が来た。この時のメールのタイトルが「内定通知のお知らせ」ではなく「最終選考結果のお知らせ」だったから、それを見ただけで「やはりダメだったか…」という小ダメージがあった。受かっていた。

 

そうして内定を得た日の午後、もう1社最終面接を受ける。今はそれの結果待ちである。来週末までには結果が来るからそれで今後の進路が決まる。どちらでもある程度の納得感はある。

 

今のところ“最後”の面接が終わり、プレッシャーがなくなったから帰りに品川で「グリーンブック」を見る。

「それでも夜が明ける」が好きなので頭の中で比べながら見てしまった。そういうわけで「北部で高度な教育を受けたため、黒人社会にも白人社会にも溶け込めない黒人」という題の取り方に新しさがあった(他にもこういう映画はあるのかもしれないが)(あったら見たい)。

あるシーンでは、そうした黒人・Dr.シャーリーが自身の痛みを土砂降りに打たれながら怒鳴り声で訴えるのだが、それが自分にはとても強烈で、傷つくシャーリーに掛ける言葉が見つからない白人・トニーの曖昧な表情がまさに自分の心情とシンクロして最高だった。全体的には涙あり笑いありと言った感じだったけど、そうした傷口を癒していく過程もセリフではなく、おおよそ行動で描写されているのも自分の好きなポイントだった。もちろん印象に残るセリフもあって「人生は複雑」「寂しい時は自分から手紙を書く」といった言葉は映画全体のストーリーを端的に言っているみたいで、本当に素敵な言葉だと思った。なので最後にシャーリーが自分からトニーに会いに来た時は本当にちょっと涙が出た。

 

 誰の言った言葉で、自分はそれをどこで見聞きしたのかも、もう覚えてないのだが「物語の基本は異文化体験だ」というのがある。*3

それがどういう理屈なのかはさっぱり覚えていないし、考えてもよく分からない。はっきり言って意味不明なのだが、「グリーンブック」のような映画を見るたびに不思議と頭の中に浮かんでくる。そしていつまで経っても忘れられないので、いつの間にか自分が映画を見る時に持つ視点の一つになってしまった。それがこの映画にはとてもぴったりハマったので嬉しかった。

先週、家で「最強のふたり」を見た時にも同じことを思った。嫌な見方だが、こうした異文化交流型のロードムービーは映画の典型的なジャンルの一つではある。だから普段は進んで見る気になれないのだが、でも見たら見たで最高に感動させられるんだよなぁ、と曖昧な気分になる。まぁ、見すぎて悪いということはないから何回でも見たらいいと思う。

*1:面接期間のド頭のことで先行きが全く見えなかったため、どこまで待ってもらえればいいのか見当もつかなかった。

*2:いやもう正直言ってしまうと、会話もろくにできねえのかよクソ会社がああああ!!!!という感じ……。

*3:「異邦人との交流」だったかもしれない。

雑感: 『けだものフレンズ』装丁の産みの苦しみ

4月20日(土)の文学フリマ金沢に向けた新刊『けだものフレンズ』の装丁について、いろいろ思ったことがあったので覚え書き。

 

決定案

前回の反省を活かそうと、フォロワーにお姉さんの絵をもらって作成(@1ppen4nde3ru氏)。

・中心的なモチーフを置く、人物が望ましい(視線が集まるから)。

・パッと見てテーマが伝わるものにする(マストな条件)。

といったあたり、わりと意識。上手くいったかもしれない(気持ち)。

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決定案

 

初期案(ボツ)

最初に出した、自分のやりたいことを押し出したデザイン案はあまり良い感触が得られなかった。芸術しすぎた感じがある。敗北だった。試合に勝って勝負に負けたわけだ。

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敗北した初期案

・方向感覚の喪失/不安定感

・壊れた色彩感覚

・空間を広く使う/遠近感

・荒野と水着のお姉さんのミスマッチ感/架空の存在として配置

といったところから

「暴力で崩壊した世界のさっぱりした風景」

「かわいくてスケべなMAD MAX」

といったニュアンスを出したかったけど、配色のことで迷走したり、構図が決まりきらなかったり、どうも上手くない。似たような横向きのデザインの装丁をもっと取材するべきだった。これはこれで好きだが、適しているかというと適していない。難しい。めっちゃ難しい。

 

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敗北した初期案はポスターに転生

素直に横向きに直して当日ブースに貼るポスターになった。これはかなり悔しい。後輩に見てもらった時に「やっぱり縦向きだとパッと見て何が写っているのかわからないですよね〜」と言われ、まぁそうやな…あれ…それがやりたかったはずなのだが????と思って、そもそもの目論見が良くなかったことを知る。う〜ん。

 

苦しみ

・暴力のニュアンスを出すためには赤系統の色を使うべき

 =青系統の沈静色は避けたい。

・爽やかさを出すためには青系統の色が必要。

・色彩感覚は壊したいので普通あり得ない色を置く

 →人物と地面は青、空は赤。

・配色が限定されすぎて厳しい。色数を増やせない。

こういう点に苦しんだ末のボツだった。ちゃんと自分の力量にあったデザインをやらないと上手くいかんなぁ〜と。

 

P.S. 参考

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本当はこういう感じにしたかった

かっこいいと思ってなんとなく念頭に置いていたのは伊坂幸太郎グラスホッパー』(文庫版)の装丁(なんとなくで念頭に置くのはよくない)。これ、よく見ると色彩が目立たないように落としめで統一してるし、要素も写真1枚ベタって貼っただけだし、これぐらいシンプルにしないと横向きにするというアイディアは使えないのかもしれない。思ったよりも大技なんだなぁ……。俺は盛りすぎた……。

 

うわめっちゃ恥ずかしくなってきた(恥は書き捨てにしていきたい)。

 

 

 

日記: 190213-190310_面接など受けている

1ヶ月が経っていた。

書類選考に通ったところがまあまあたくさんあり、10社ほど面接を受けたところ。

内定を一つ取ったので心理的安全を得る。と、同時に生活全般にやる気が出てきて、引き続き面接を受ける。今週末まで面接を立て続けに受ける。

平日、昼は面接を2,3社受けると潰れてしまって他のことができない。夜は翌日の履歴書やESを整えることに費やされる。そういうわけで先々週あたりからイベントをストイックに予定通りに消化する日々が続く。+αで何か良いことが発生することは中々ない。フラストレーションが溜まる。仕方がない。面白かったことと言えば、先週3日間ほど大学の後輩が就活に泊まりに来たことぐらいか。

 

経済的に危うい状態にある。マンションの更新とクレジットカードの支払いがあった。会社からの傷病手当金の振込が遅れ、支払いが滞る。これは現在進行形の物もある。内定が取れたことで実家の方から資金援助を受けることができたが、もし内定が無かったらと思うと恐ろしい。とにかく会社からの送金を待つ。今週中に来てくれないと、いろいろと面倒なことになる。まぁなんとかなるだろう……。

 

プログラミングの勉強は明らかにペースが落ちている。Laravelを触っている。時間の捻出が難しい。フォロワーと何か共同で作らないかという話があったが、実行するのはそれなりに先になりそう。

 

文文文庫の方は新刊の原稿が進む。短編という話だったが、気づくと1本だけ1万5000字ほど書いてある。毎回字数が伸びていく。短くまとめることを意識しないで書いたからしょうがないことだけど、良い傾向とは思えない。書きたいことが溢れているだけマシといったところか。

書きかけのものが2本あって、そのうちの片方を納めれば終わりだ(暴力*日常の枠)。終わりが見えていると安心する。と思う。しかし、あまりパッとした展開を思いついていないので、その辺で納得がいっていない。とにかく現状の展開を早く外部化/操作化して、その後で足し算や引き算をやっていくことだ。

 

 

日記: 190115-190212_書類選考待ち

風邪の治りが悪く、転職のエントリーと諸々を始めたのは結局1月25日の頃だった。1ヶ月近く寝転んでいた。完全にメリハリを失い、なまけて転職エージェントとの面談から5日ばかり経ってからエントリーを始めたので、他の応募者に比べて出遅れた形になる。仕方がない。

 

30社ほどに書類を送ったが、半数近くいまだに返信がない。だいたい2週間ほどで書類選考を終えるのが一般的だというので、そろそろ反応があってもいい頃(というか反応が無いのはおかしい)だが、お祈りメールは素早く届く一方、通過おめでとうございますという連絡は中々来ない。映像制作の会社やサーバー保守運営の会社からは面接の連絡が来たが、こちらから断ってしまった。前者はともかく、後者の方はチャンスだと思ったが、身につくスキルや賃金を考慮した結果だった。

 

一般的に書類選考後の連絡が中々来ない理由はいくつかあるらしく、

 

・すでに落とされていて連絡が来ていないだけ。企業担当者が後から一斉に不採用通知を流すというやり方を取っているか、そもそも連絡するつもりがないというケース。ここにハマっているのが一番良くない。時間の空費にしかなっていない。

・単に時間が掛かっている。書類が現存しているかもしれないし、他の応募者との比較を待っている状態。選考中ということ。ここから落ちるか通過するか選ばれる。不採用の時は即落とされるというから、比較的マシというレベルでキープされている状態。

・(無いと思うが)エージェントが応募していない。無くはないケースだそう。でも不採用の連絡は来てるから、これは無いように思う。

 

もし書類選考の方で連絡があるとしたら、きっと今週末までには何かしらあるはず。もし連絡がなかったらエージェントにまた相談しなければならない。こうなると大変だ。

 

いずれにせよ、こちらの方では希望がさらさら持てないから、WantedlyやFBなどSNS経由で探して説明会にこぎつけた。今週はそういうイベントをいくつかこなしてみる。こっちを頼りにした方がいいような気がしている。レスポンスも格段に早い。

 

転職活動についてはこんなところ。

小説関係のことは今週末が締め切りだが、しばらく放置している。普通に間に合わない。いつものことではある。内容は頭に入っているので、あまり心配していない。クオリティはあまり上がらなそうな雰囲気がある。脊椎で書けていないせいだ。心配してもしょうがないことではある。というわけでいつも通り手を動かしてから考えるしかない。

 

ちょっと雲行きの怪しさを感じるこの頃。積読本を消化したり、ランニングしたり、サウナに行ったりして気を紛らわすことが日課になりつつある。冬の時代だ。